こたつでみかん子育て日記

東京多摩地区で11歳、9歳、7歳の子育て中。心は道産子。子育てのこと、お出かけのこと、混合育児のことなど更新中

娘の心のなかを覗いてみたい

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正月明け、久々に小4の娘とデートしました。

 

息子二人は主人と一緒に『映画妖怪ウォッチFOREVERFRIENDS』を見に映画館へ。「妖怪ウォッチはもういいや...」という娘と、男たちが不在の間、一緒に街をプラプラすることに。

 

途中、疲れたので喫茶店へ。娘は最近、抹茶が大好き。なので、抹茶が美味しいと評判のカフェへ入りました。

 

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娘は抹茶フロートを注文。私はほうじ茶のパフェ。1月だというのに。娘につられ、つい冷たいものを頼んでしまいました。

 

家ではゆっくり話すことなんてなかなかできない。特に一番上の娘は帰宅時間も遅いので、二人きりの時間なんてそうそうありません。だから、二人きりの時間はとっても貴重。注文の品物が届くまで、普段はできない、心を通わせるような会話をしたいと思っていました。

 

…が、娘は小さなポシェットに手を突っ込むと、文庫本を取り出し読み始めました。小4が喫茶店に入ってすぐに小説を読み始めるなんて。こなれている。こなれすぎていて、怖い…。

 

私は所在なく、注文が終わっているというのにずっとメニューを眺めていました。

 

そして、注文の品到着。真冬にフロートとカフェ。なんて贅沢なんでしょう。いや、贅沢なのは雰囲気だけで、食べ始めて間もなく、体が冷えてきました。(やっぱりお汁粉にすれば良かったか…)少し後悔をしながらも、「美味しいねぇ」「豪華だねぇ」「幸せだねぇ」と、娘と幸せを共有しながらゆっくりパフェを食べる。

 

少し経つと、私は娘に話しかけました。

「お母さんに聞いてみたいことはない?」

こんな質問から、普段はできない、心を通わせるような会話が始まるかもしれない。

そうしたら、娘。こう聞いてきました。

「お母さんって、なんで抹茶きらいなの?」

「…苦いからだよ。」

ちーん。会話終了ー。

何を考えているんだか分からないお年頃。その心のなかを覗いてみたいのですが、なかなか…どうしたものか。次なる質問。

「今年は何がしたい?」

「目標」とか「すべきこと」とか堅苦しくなる言葉を出来るだけ避けて質問。すると、

「一日一冊本を読む」

という回答。

…そうですか。…今年も、放課後は家で黙々と本を読み進めるご予定なのですね…。長女は幼稚園年中さんくらいで読書(絵本)に目覚め、それからというもの、本当にずっと本を読んでいる子です。去年の夏休みは7000ページ読んだとか。冬休み中も、厚さ6㎝くらいの『はてしない物語』をずっと読んでました。

 

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※読書に目覚めた頃の写真。
 

そんな、昨年までと変わらない抱負を述べた後、次のような言葉が続きました。

「将来の夢とか、別に無いし。二分の一成人式で何か書くことになってるけど、なんて書こうかな」

学校でそんなミッションがあるなんて、知りませんでした。と同時に、「別に無い」という言葉にも驚いてしまいましたが、(ちょっと深い話ができるかも)という期待も持ちながら、興奮気味で娘に言いました。

「特に無い?!お母さんなんて小学生のとき、やりたいことがたくさんありすぎなくらいあったけどなぁ。保母(保育士)さんでしょ、学校の先生でしょ、看護婦さん、建築家、パン屋さん、…」

本当に色々なりたいものがあった私の少女時代。しかもコロコロ変わって挙句の果てに中学の三者面談で『色々やりたいからフリーターになりたい』って言って先生と母親が絶句していたことも思い出されます。

そんな私の言葉に対して、

「保育士さんって、なんかブラックなイメージなんだよね。給料安いのに、残業多かったり。看護婦さんは、私血見るの嫌だからムリ。パン屋さんもいいけど~、給料安そうだし…」

と娘。一体、どこから仕入れている情報なんだろう?日頃つけているTVニュース?それとも、友達とこんな話してたりするのかなぁ。とにかく、現実的かつ否定的なものが多くてビックリしてしまいました。小学生のとき、給料なんて気にしなかったけどなぁ~。

「保育士さんは、たしかにそんなニュースもあるけど、問題になってるから徐々に改善されてきてるんだよ」

と説明すると、

「あぁ、働き方改革ね」

さらりと返されました。…この耳年増め(笑)!

将来の夢に関するお喋りがちょっとでき、心を通わせるまではいきませんでしたが嬉しく思いました。結局、後ろ向きなので盛り上がりはしませんでしたが…。

そもそも、小4なのに、なぜこんなに「現実の厳しさ>ワクワク感」なのでしょう?!小4のときは仕事の厳しさなんて考えもしなかった私にしてみると、とても不思議で…。

 

きっと、娘は私よりもニュースや友達との会話からブラックな情報メインで入手しているから否定から入ってしまう。もっと、仕事の楽しい側面や情報に触れられれば、将来の仕事に対してワクワクする気持ちが生まれるかもしれない。

 

そんなことを思いながら、後日図書館で借りてみました。 

新 13歳のハローワーク

新 13歳のハローワーク

 

『新13歳のハローワーク』(作者:村上龍)

主に、好き・興味があるの教科から職業を逆引きすることができる、職業辞典みたいなものです。

 

初めて『13歳のハローワーク』が出版されて話題になった頃、この本に否定的だった私。

なぜなら、この本は名前が付けられるような職業ばかりが紹介され、企業のなかで皆と一緒に力を発揮するような仕事が紹介されていないように感じたから。「日本の就業者の約90%がサラリーマンと言われるなか、この本はいわゆるサラリーマンじゃない働き方ばかり紹介して、夢見がちに見える。もっと、企業のなかで自分の力がどんな風に発揮されるのかを紹介すべきじゃないか!」なーんて思っていましたが。

いざ自分の子どもと向き合ってみると、どんな仕事があるのか、一般的にどんなところにやりがいを感じられるのかということすらイメージを持てない状態。

まずはこの本で、将来に広がりを感じて欲しい、そんな思いで娘に渡してみました。

『はてしない物語』に負けないくらい分厚い本でしたが、娘は結構見入っていました。好きな教科から逆引きできるあたりが読みやすいもしれません。

 

しばらくして「何か興味のあるお仕事見つかった?」と聞くと、「司書」「書店員」「出版業界で働く」という、本が好きな娘らしい回答が返ってきました。またもや、お給料や忙しさを気にしていましたが。

 

それから、2週間くらい経った昨日。

「1/2成人式に書く将来の夢、決まったんだっけ?」

と聞いてみると…。

 

「あぁ。なんていうか。やっぱり特に無いからさぁ。『人の役に立つ仕事につきたい。将来具体的に就きたい仕事ができたときのために、今は努力します』って答えておくよ。」

 

なんて大人びた回答。たしかにそれがベストだし、親も望んでいたりします。が、小4にしてなぜこのようなこなれた回答に辿りついたのか、やはり娘の心のなかを覗いてみたい母でした。